著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

堺正章の圧倒的なカッコ良さと、二度とめぐり来ない時代へのあまやかな郷愁

公開日: 更新日:

■「芸能界誕生」刊行の背景

 日刊ゲンダイ連載でもおなじみ戸部田誠さん(てれびのスキマ)の新作ノンフィクション「芸能界誕生」は、ぼくの思いに応える絶好の一冊。いま人々が「ザ・芸能界」として認識しているビジネスの黎明期と揺籃期を丹念に描く。

 最大の読みどころは、元ザ・スパイダースのリーダー兼ドラマーにして田辺エージェンシー代表・田辺昭知の独占インタビューだ。ザ・芸能界の領袖のひとりである田辺さんの生きた言葉をまとめて読める機会はきわめてまれ。ぼくが「絶好の一冊」と言うゆえんでもある。

 同書の起点は、58年2月開催の「第1回日劇ウエスタンカーニバル」に、その後のザ・芸能界の大立者が勢揃いしたという事実だ。公演主催の渡辺プロダクションの渡辺晋・美佐夫妻をはじめ、田辺昭知、その兄貴分である堀威夫(ホリプロ)、相澤秀禎(サンミュージック)、井澤健(イザワオフィス)……さながら芸能プロ紳士淑女録の趣。もっとも、当時の彼らは若手ミュージシャンや付き人なのだが。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…