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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

類まれな不器用な芸人と類まれな器用な芸人が組んだモグライダーは奇跡のコンビ

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 そんな誰が見ても大ボケ役がふさわしい彼だが、当初は「ツッコミをやりたい」と主張していたという。結成から2年。芝は「できることと、できないことを探っていった結果、できないことの方が圧倒的に多かった。それならば、できないことを見せるほうが早い」と台本を用意せず、ぶっつけ本番、ネタ合わせをしないようにすることを決めた(テレビ朝日系「アンタウォッチマン!」22年6月6日)。その方が「その場の感情が乗ったセリフ」が生まれると。

 そうして、ともしげが何かを説明したり、やることに芝がツッコむというスタイルが出来上がった。ともしげがその過程で間違えてしまうことを想定したネタだ。だから「ある程度言えるようになったら(ネタを)捨てる」のだという(同前)。

「ボケゼロ」が理想という芝は、それを実現するために「ともしげがどんな予測不能なミスをしても拾えるように、ともしげのことだけを考えてきた」(扶桑社「週刊SPA!」22年2月1日号)とまで言う。モグライダーは類いまれに不器用な芸人と、相方の特性を熟知した類いまれに器用な芸人が組んだ奇跡の2人なのだ。

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