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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

韓国発リアリティー番組「脱出おひとり島」世界的大ヒットの理由 SNS時代ならではの追求ぶり

公開日: 更新日:

 出演者は筋骨隆々の美男と明眸皓歯(めいぼうこうし)の美女ばかり、ルッキズム(外見至上主義)批判やジェンダー・ダイバーシティー(性的多様性)はどこ吹く風で、天国と地獄という戯画的に二分化された世界で駆け引きが繰り広げられる。

 ゲームの敗者や指名されなかった不人気者は地獄島で勝者の帰りを待つだけ。そうするうちに、恋愛パートナーを見つけるためだけでなく、地獄島を抜け出したいがための戦略的な行動を各自が取るようにもなる。囚人のジレンマを想起させる出演者の心理の揺れと行動の変容が丹念に描かれ、「ねるとん」方式での意外なドンデン返しを持ってくるラストまで視聴者を飽きさせない。

■出演者たちがワイヤレスマイクを装着

 リアリティーショーといっても、まったく台本・演出がないわけではない。素人出演者の反応は得てして「薄味」であり、これを視聴者が満足する程度に「リアル」に見せるために、制作者側からの「提案」や「誘導」があったりもする。「リアル」は、自然な様子を客観的に描写した結果ではなく、人為的な演出と編集を駆使して「創作」されるものだ。

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