“盲目のピン芸人”濱田祐太郎の街ブラ番組「ブラリモウドク」 健常者には見えない“死角”が見えている

公開日: 更新日:

 また番組の序盤で、難波の空気感が好きと言いながら「独特の、なんか犬のおしっこみたいな臭いがしてますね」と笑わせ、堀江の街を歩く中で「点字ブロック1個もない」「お洒落なだけの街」と口にするあたりに、濱田ならではの着眼点を感じた。

 かねて濱田は「バラエティー番組に障害のある芸人やタレントはほとんど出演していない」とテレビ制作の在り方に疑問を呈しており、今回の冠番組は念願がかなったといえる。

 2022年に「水曜日のダウンタウン」(TBS系)のドッキリ企画に吃音のあるインタレスティングたけしが出演し、NPO法人「日本吃音協会」がTBSに抗議する騒動となったことも記憶に新しい。障害のある芸人は“腫れ物扱い”されやすく、今でもバラエティーで目にする機会はほとんどないのが現状だ。

 しかし、今回の番組のように、障害があるからこそ、ハッとするようなシーンやフレーズが飛び出すこともある。健常者ゆえに見えていない、もしくは理解できていない死角があると感じてならないのだ。


「ブラリモウドク」は、ABCテレビの若手ディレクターたちが企画した15分のバラエティー6番組を激突させる「ちょいバラトーナメント」のうちの一つ。全4回でより多くの得票数を集めた番組が30分特番をゲット、年間チャンピオンになれば1時間特番が決定する。

 発見の多い同番組が特番で放送されることに期待したい。

(鈴木旭/お笑い研究家)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  4. 4

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  2. 7

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  3. 8

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    結局、「見たい人だけが見るメディア」ならいいのか? 「DOWNTOWN+」に「ガキ使」過去映像登場決定で考えるコンプライアンス

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑