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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

盲目の濱田祐太郎は視野の狭い健常者を「笑い」に変える

公開日: 更新日:

「おまえのことなんて眼中にねぇみたいな」(濱田祐太郎フジテレビ「濱田祐太郎のした事ないこと!」6月3日放送)

「R―1ぐらんぷり」で優勝した、ほぼ全盲の漫談家・濱田祐太郎(28)が爆笑問題太田光と対談した際、ネタの選び方を尋ねると、「俺はネタの種類っていうのはあんま、こだわんないの。政治のネタは作りやすいから作ってるだけで、別に社会に何か物申そうなんて気はさらさらないから。ウケりゃいいってだけ」と太田。その答えに濱田は、「今の話は、ほぼほぼ僕も一緒なんですよ。僕もウケるから目が見えないっていうのを(ネタで)やってるだけで」と目を輝かせた。

 濱田のネタは障害者の人権やバリアフリーなどを訴えているなどと言われることも多いというが、本人は「そんなこと一切考えてない」とバッサリ。一方で障害を笑いモノにしているから笑いにくいと言う人もいる。そうした過剰に意味づけしたり、拒否反応を示す人たちに対し、濱田ならではのユーモアをまぶせて語った言葉を今週は取り上げたい。

 確かに濱田のネタは「障害者自身の自虐ネタ」と解釈されることが多い。しかし、千原ジュニアが「自虐でも何でもなくて、世の中のバカさ加減を笑っている」(NHK・Eテレ「ハートネットTV」18年4月23日)と評価したように、障害を笑いモノにしているのではなく、視野が狭く分かっていない健常者の方こそを笑いモノにしているのだ。

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