「子供相手にやっているうち、大人の客に受けなくなってしまった」

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「前年に家元談志が亡くなって、真打ち昇進はそれぞれの師匠の判断で決めることになってました。そこで師匠に相談したらひと言、『示せ』と言われたんです。『何をどう示したらいいかは自分で考えろ』と。示すための会を開きたいと言ったら、条件が付けられました。まず、イベントになってしまうから<真打ちトライアル>と銘打たないこと。ゲストは呼ばないこと。落語だけでなく、立ち高座でやるネタを演じること、などです。昇進試験のハードルですから、当然のしばりです。会のタイトルは、<しめせ、独演会>にしました」

 私は当時、立川流顧問だったので、その会に通った。4回とも満員で、落語だけでなく、洋服で立ち高座の漫談や講演風コントも出来が良かった。

「それでも、すんなり昇進とはいきませんでした」(つづく)

(聞き手・吉川潮

立川晴の輔(たてかわ・はれのすけ) 落語立川流・立川志の輔一門。1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ。岡山県作陽高校、東京農業大学農学部卒。97年、立川志の輔に入門。志の吉を拝名。2003年、二つ目に昇進。08年、東西若手落語家コンペティション・グランドチャンピオン。13年、真打ちに昇進。志の吉から晴の輔へ改名。

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