「子供相手にやっているうち、大人の客に受けなくなってしまった」

公開日: 更新日:

 2003年、二つ目に昇進した晴の輔(当時は志の吉)だが、新たな仕事場は、前座時代とだいぶ様子が違った。

「それまでは志の輔独演会の前座として出てましたから、常に300人以上の大きなホールの会場ばかりでした。お客さまも、志の輔の弟子だから聴いてやろうと温かい。それがいきなり健康ランドの宴会場みたいな、落語を聴く気がないお客が多い仕事に戸惑いました。もちろんギャラは安いので、副業として、結婚式の司会と余興も数をこなしましたね。小学生に落語を聴いてもらう『子供らくご』を始めたのもその頃です。ところが、子供相手にやってるうち、大人の客に受けなくなってしまった。子供向けの声音と口調が、くせになってたからです」

 そこで志の吉は、都心、東京都町田市、横浜市、埼玉県川越市、千葉市の5カ所で、隔月開催の勉強会を始めた。

「それぞれの地元に世話役の方々がいて、セッティングしてくださいました。その会は現在も続けています」

 勉強会を重ねることでネタが増え、実力が備わってきた。そして2012年、真打ち昇進を目指す。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」