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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「対岸の家事」「夫よ、死んでくれないか」…春ドラマは夫や男に試練を与えるドラマがそろった

公開日: 更新日:

 春ドラマがスタートした。トップを切ったのは「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」(TBS系)。

 多部未華子演じる主人公は2歳の娘を持つ専業主婦。働くママが主流の時代、絶滅危惧種などと陰口を叩かれ、孤立感を強める。一方、江口のりこが演じるのは、2人を子育てしながら仕事もバリバリこなすワーキングママ。主婦に限らず、人は自分の選んだ道が正しかったと思いたいもの。それゆえ、自分とは異なる立場の人を容易に認めることはできないものだ。

 第1話ではひとくくりにしてしまいがちの子育てママだが、専業主婦とワーママの間に「深くて暗い河がある」ことがわかりやすく描かれた。そして対立構造になっていくのかと思ったら、ある出来事をきっかけに互いの思いを吐露し、わかりあえるようになる。

 ひと昔前なら互いに嫉妬したり、いがみ合ったりのドロドロ展開が多かったと思うが、令和のドラマにそんないざこざは無用。多様性の時代は、いかに相手を認められるかのスキルが必要だ。

 第2話ではディーン・フジオカ演じる厚労省のエリート官僚で2年間の育休中というパパ友もできるが、彼にもまた「専業主婦は贅沢だ」と論破されてしまう。多部の夫が一ノ瀬ワタル、江口の夫が元和牛の川西賢志郎、そして、ディーンの海外赴任中の妻を島袋寛子。妻に一緒に見ようと促されたら、それは育児に協力しない夫へのイエローカードかもしれない。

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