須賀健太が「天才子役」を脱皮して悟った真摯に向き合うことの大事さ
だが、高校生になると子役時代のイメージが足かせとなり、仕事が激減していった。子役仲間たちも辞めていく中、須賀も今後の人生について考えたという。そのときに改めて「『やっぱり現場って楽しいんだな』とか『芝居をしたいな』って強く感じることができた」(ローソンエンタテインメント「クランクイン!」17年7月16日)。
転機になったのは、20歳を前に出演した映画「スイートプールサイド」(14年公開・松竹)だった。松居大悟監督に「新しい須賀健太を見たい」と、ボロクソに言われつつも、それまでとは違うやり方にしがみつきながら演じ(マイナビ「マイナビニュース」16年5月27日)、新境地を切り開いた。この頃から、規模の大小は関係なく、「俳優として一つのイメージにとらわれず、いろいろな面をみてもらいたい」(「クランクイン!」=前出)とチャレンジングな役柄を積極的に受けるようになった。
そして彼の新たな代表作が生まれる。それは舞台。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」だ。20歳から21歳になる頃に主演に起用されると、「2.5次元なめんなよ」という意気込みで演じ、大人気舞台へと成長させた。主演を“卒業”後の2023年には同舞台の演出まで手がけるようになった。
彼は長い芸歴の中で悟った。「ターニングポイントになる瞬間って、そう思って取り組むよりも、物事に大小をつけずに真摯に一生懸命向き合うことが、一番大事」(フジテレビ「めざましmedia」23年6月10日)なのだと。