多くの「ニセフォルニア」を生んだ西海岸ブームの導火線に
当時、私の住む東大阪でも、ミナミのアメリカ村にウヨウヨいるような西海岸野郎を見かけるようになった。
ロングヘアにサングラス、アロハシャツ、ふわっとしたジーパン、たばこはキャメルを吸っているような、まるで伊勢正三みたいな風体の兄ちゃんが現れはじめ、近所の主婦たちから迷惑がられていたのを思い出す。
そう言えば連中、イーグルスの「テイク・イット・イージー」(72年)を、通りにも響くような大音量で聴いていたよなあ(詳しくは拙著「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」-ブックマン社-を参照されたい)。
私が「ニセフォルニア」と呼ぶ、日本人が西海岸カルチャーを真似っこするムーブメントが、イーグルスを導火線として、いよいよ盛り上がりつつある頃──。
さぁ、オフコースから、アリス、浜田省吾、さらには水谷豊の「カリフォルニア・コネクション」(79年)まで、日本の若者がこぞってニセフォルニアする時代がやってくるぞ。