Mrs.GREEN APPLEの野外ライブ騒音問題を気象予報士が解説…"猛暑が生んだ想定外"の真相
「26、27日は南から高気圧に覆われ、基本的に南風(※北向きの風)が吹く気圧配置でした。さらに内陸で38〜39度の猛暑となり、海陸風が異常に強く吹いたのです。内陸が暑ければ暑いほど、そこに向かって海風が強くなる。この2つの要因が重なり、平均10メートル、最大瞬間風速15メートルの南風が夕方から夜にかけて吹いていました」
まさにライブの時間帯と重なったのだ。強風注意報も沿岸部に発表されるほどだった。
「横浜埠頭から北方向は東京湾という平坦な海面で、音を遮る障害物がありません。運営側は音が海側に向かって減衰すると想定していたでしょうが、猛暑による想定外の強い南風で、音が北方向に運ばれてしまったのです」
■夏の猛暑が騒音トラブルの原因?
興味深いのは季節性だ。
「冬は北風が卓越するので、同じ場所からの音は南方向の市街地に向かいます。しかし南方向は建物が密集しているため、音は建物に遮られて遠方まで届きません。今回は海方向への伝播だったので問題になったのです」