「時代に挑んだ男」加納典明(34)映画が写真に、一発勝負の世界に敵うわけがない。〇〇の問題よ
増田「典明さんのことを僕はシャッターを切る芸術家だと思っていたんですけど、こうしてじっくり聞いていると実は言葉の芸術家でもあるんだっていう風に思えますね。それだけの言葉を持たれてて、その言葉が古い蒸留所のウィスキーのように熟成してる」
加納「言霊ね。でもさ、源氏本とかじゃないけど、昔からのそういう小説、ストーリーっていうのが、俺、みんな言い訳に見えるわけよ。でも1枚の写真ってのはメッセージに見えるわけ」
増田「それは面白です」
加納「俺にはそう見えるし、実際にそうだと思う」
増田「ヌードでも何でも」
典明「もちろん。ヌードでなくてもとにかく写真ていうのは鋭くないと。スチール写真が放つそのメッセージをどう受け取られようが、誤解も含めて俺は一向に構わない。でもやっぱりとことんまで鋭くありたい。先鋭的でありたい。挑戦的でありたい。俺はそういう人間、そういうクリエイターなんだ」