「東京裁判の全貌」太平洋戦争研究会編 平塚柾緒著
「東京裁判の全貌」太平洋戦争研究会編 平塚柾緒著
東京裁判は、満州事変から太平洋戦争に至る15年戦争の日本の政治・軍事指導者の戦争責任を裁くため、戦後2年半にわたって連合国によって行われた。法廷では「平和に対する罪」と「人道に対する罪」という新しい犯罪名が適用され、裁判官・検事側と弁護側が激しく対立。東京裁判を構成した戦勝国の多くは、その後に起きたさまざまな戦争に関わったが、「平和に対する罪」と「人道に対する罪」が正式に国際裁判で問われたことはなく、東京裁判が勝者の裁きであったことが立証されている。
一方で、東京裁判は張作霖爆殺事件や柳条湖事件などの歴史の真相を日本人に知らしめた。
戦後日本に大きな影響を与えた東京裁判の全過程を克明に解き明かした歴史テキスト。 (河出書房新社 990円)