「時代に挑んだ男」加納典明(34)映画が写真に、一発勝負の世界に敵うわけがない。〇〇の問題よ
とことん鋭く、先鋭的で挑戦的に
増田「映画よりスチール写真の方が上だとするその理由はどこにあるんですか」
加納「動画、映画というのは1つのテーマとか撮るけど1枚じゃない。写真はそれを1枚で表せる。メッセージ性の問題よ。メッセージ力。俺はスチール写真の1枚のメッセージ力に自信あるし、信じてる。それが例えば映画で2時間半の大作ったって、感激するっていうか、いいなと思えるのも時々はあるけれども、メッセージ力ということになると、スチールの方がはるかに強いんだよ」
増田「なるほど」
加納「日本刀を撮ったことがある。刃の方から撮った。するとただの線にしか見えない。その線だけの写真で、どれだけ切れるものに見えるかどうか。あの撮影はすごく時間がかかった。10時間くらい。刀一本を撮るのにそれだけやった。それでも俺は全然疲れもしないし、まだ(撮り方が)あるぜ、まだあるぜと(撮る角度を)探すわけだよ。たとえば斬られる側から見たらこの刀というのをどう感じるだろうとも考える」