歩行リハビリで優れた下肢装具と理学療法士が重要なのはなぜか
片麻痺で歩けなくなった患者さんのリハビリでは、オーダーメードで作製する「下肢装具」が欠かせません。麻痺が重度な患者さんの場合は、退院後も装具をずっと使い続けるケースがほとんどで、生活必需品ともいえます。
以前にも触れたように、下肢装具には「長下肢装具(KAFO)」と「短下肢装具(AFO)」の2種類があります。このうち、足首と膝を同時に固定する長下肢装具は基本的に歩行リハビリ訓練用の装具です。足首から太ももの付け根までの長さがある長下肢装具は、自分で着けたり外したりするのは難しく、装着は理学療法士が行います。
そのため、退院してからの実生活では膝から下の短下肢装具を使用します。短下肢装具は、金属製、プラスチック製、足関節を固定するタイプ、足関節が動くようにするタイプといった、おおむね4種類のバリエーションがあり、患者さんの症状と回復度合いによって最適なタイプを適宜選択します。
下肢装具は、麻痺が軽くなればなるほど、その必要性が低下します。可能であれば装具を使わずに生活できることが理想です。しかし、装具を外すと足関節が不安定になったり、内旋変形してうまく歩けなくなってしまう方には、どうしても必要になります。