「時代に挑んだ男」加納典明(34)映画が写真に、一発勝負の世界に敵うわけがない。〇〇の問題よ
増田「少ないですか」
加納「ないね。ほとんどない」
増田「ニューヨークから戻ってきた頃、27歳のころにはすでにその境地に?」
加納「そう。いってた」
増田「やっぱり早熟だ。早いですね」
加納「ただ、映画でいえばジェームス・ディーン*なんかは俺もいいとは思った。映画のうんぬんではなくて役者としてだけどね。彼は有名な演劇学校出てるんだけど、なんて言うんだろう、生地に持ってるもの。地の物。そういう良さを感じた」
※ジェームス・ディーン:1931年生まれ。24歳で夭折した伝説のアメリカ俳優。20世紀の文化に影響を与えた最高の1人だと言われる。代表作に『エデンの東』『理由なき反抗』など。
増田「でもジェームス・ディーンであってもやはり写真には敵わないと」
加納「無理だね。ぜんぜん無理。映画では写真のショット感というかスナップスというか、1発勝負の世界に敵うわけがない。彼なんかは俺のカメラで写真を撮ってみたかったよ」