【山桃】疲労回復に役立ち夏バテの体にピッタリ…シロップやジャムでも
山桃は、毎年6月下旬から7月上旬のわずか2週間ほどしか味わえない短い旬の果実。旬の時季には高知や徳島などで採れたてを塩で味わう風習もあり、甘酸っぱさと松のような香りが特徴です。すでに今は生果の出回りが終わっていますので、「初夏の名残」とも言える食材でしょう。
日本では縄文時代から親しまれてきた歴史があり、「出雲国風土記」や「延喜式」にもその名が登場しています。江戸時代の本草書「大和本草」には、「塩漬けにすると痰を除き吐き気を止める」と薬効も記され、古くは食用だけでなく、薬用果実としても利用されてきた記録があります。
名前の由来には諸説ありますが、山に自生し果実が桃に似ていたことから「山桃」と呼ばれるようになったとも、中国名「楊梅(ヤンメイ)」が転じたとも言われています。現在では徳島県が全国生産の約8割を占め、地域のシンボルとしても愛されているそうです。
さて、そんな山桃の鮮やかな赤い果肉は、アントシアニンというポリフェノールを豊富に含みます。抗酸化作用による老化予防や血流改善など、現代の健康志向にもぴったりですね! さらに、疲労回復に役立つクエン酸や、すばやくエネルギー源となるブドウ糖も含まれ、夏バテ気味の体にもやさしい果物です。