田中麗奈、45歳。心も体も変化するなか、ずっと変わらない“芝居”への気持ち

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コクハク

 多くの人の心をつかんだ「なっちゃん」のCMの初代キャラクターに始まり、映画『がんばっていきまっしょい』『はつ恋』、近年ではドラマ『神の子はつぶやく』『いちばんすきな花』など、第一線で活躍し続けている女優の田中麗奈さん(45歳)。

 現在は、実在した大日本帝国海軍の駆逐艦の乗組員や、その家族の姿を描いた出演映画『雪風 YUKIKAZE』が公開中です。

 凛とした美しさを感じさせる田中さんに、心身を健やかに過ごしていくための秘訣を聞きました。

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忙しいときには睡眠を“稼いで”いる

――忙しい日々だと思いますが、健康に過ごしていくために気を付けていることがあれば教えてください。

 やはり睡眠運動食事は大事だと思います。撮影で眠れない日々もあるんですが、寝られるときにはちょっとでも、1分でもいいから目をつぶるようにしています。

――寝られなくても、目を閉じるだけでも違うと聞きますね。

 実際、違うと思います。普段、どうしてもいろいろと考え事をしていますが、1~2秒だけでも目を閉じて、「今、何も考えていなかったかも」という時間を持てただけで、すごく回復できる気がします。まとめてしっかり寝るときもありますが、忙しいときには、そうやってちょこちょこ睡眠を“稼いで”います(笑)。

――「ちょっとしか」ではなく、短い時間でも「稼げている」とプラスに考えばいいんですね。

 ちょっとずつ重ねている、と思えば。食事に関しては、和食が好きなので、お味噌を手作りしています。醤油や麹、甘酒といった発酵ものは全部好きです。日本人の体に合うんでしょうね。

――お手製のお味噌を?

 はい。発酵させて寝かせて。今年は麦味噌と米味噌の両方を作りました。

――何かきっかけは。

 10年ほど前に、ちょっとした好奇心でワークショップに行きました。そこで「自分の作ったお味噌ってこんなにおいしいんだ!」と。くせになりました。あとは、役者として身体は健康に保っておきたいので、食事や運動は日ごろから心がけていて、今でも運動は適度にしています。足腰をしっかりしておきたいなと走ったり。

日舞に茶道にジョギング…撮影がない日はアクティブに

――ウォーキングではなく走られるんですか?

 はい。ジョギングです。今年、足を痛めている時期があったので、何カ月かお休みしていましたが、基本、走るのが好きなので、走ります。公園の周りを4キロくらい。今は暑いのでなかなかチャンスがないですけど。トレーニングをやっていた期間もあります。

――活動的なタイプなんですね。もともと好奇心が旺盛なんでしょうか。

 20代のころからいろいろやっています。お芝居をしていないときは体調が悪くなる人なんです(笑)。だから何かしらやっていないと。日舞だったり茶道だったり、最近はぼちぼちですが、また懲りずに英語もやっています。

 お仕事に関連したことでは、アクティングコーチ(演技指導者)からレッスンを受けたり。撮影に入ると、没頭してしまって、それしかできなくなってしまうタイプなので、撮影が入っていないときに、別のことをしたくなるんです。

――お味噌は直接体に入ってくるものですが、頭への栄養も常に入れてるんですね。

 お味噌は体に繋がりますが、そういった時間が、自分に返ってくると思いますし、インプットがあると、すごく快感になってくるんです。

『雪風 YUKIKAZE』は100年後も観てもらえる作品

――ところで、さきほど「役者としてまっすぐ生き抜きたい」という言葉がありましたが、お仕事への向き合い方に変化はありますか?

 私自身の心も体も肌もそうなのですが、仕事への向き合い方についても、グラデーションのように変わっていったので、ひとことではなかなか言えないのですが、お芝居が大好きだということは変わりません。自分の携わった作品によって、誰かの心が動いたり、人生が変わることもあります。

 それは本当に光栄なことだと思っていますし、そうした思いをさらに強くしています。表現者として何ができるかを考えていますね。いま公開中の『雪風 YUKIKAZE』のように、100年後も観ていただけるような作品に携われることの責任のようなものもしっかり受け止めて、自分自身を高めていけたらと思います。

戦争を体験した100歳の祖父

――出演映画『雪風 YUKIKAZE』のお話が出ましたが、今年は第二次世界大戦終結から80年ということもあり、多くの戦争映画が公開されています。田中さんご自身が、身近な方から戦争体験を聞かれたことはありますか?

 100歳だった祖父が、今年旅立ちました。お葬式のときにも、父やおばが、「お父さん、昔、戦争の話をしてくれたね」といった話をしていました。私自身、以前『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(2011)に出させていただいたとき、祖父に「今度、こういう映画に出るんだよ」と話したんです。

 そしたら「山本五十六さんか!」と勇ましい、すごく大きな声で言われまして。自分たちの感じる歴史上の人物という捉え方とは、また違う感じでの捉え方をしていたのをはっきりと感じました。

平坦な「幸せの道」を更新していきたい

――なるほど。

 そうやって実際に戦争を体験した親族は祖父が最後だったので、もう親族の中で戦争体験を直接家族に伝えられる人はいなくなりましたが、今回の『雪風 YUKIKAZE』のような作品があって、一緒に話はできます。「これはどういうこと?」と聞いてもらえると、自分も伝えやすいと思いました。

――最後にひと言、本作をご覧になったときの田中さんご自身の感想を聞かせてください。

 ラスト、ものすごくダイレクトに私たちに問いかけてくるところがあって、本当にドキリとしましたし、80年前と今を、まさにつないでくれる映画だと思いました。私たちは平和に暮らす義務があるというか、健康で楽しく生きる責任があることを感じさせてもらえる、とても強くて優しい映画だと思います。

映画『雪風 YUKIKAZE』概要

映画『雪風 YUKIKAZE』は全国公開中

(C) 2025 Yukikaze Partners.

https://www.yukikaze-movie.jp/

(望月ふみ)

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