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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念

公開日: 更新日:

 西南学院高校に進学してからも、パンク少年の心意気だけは残っていた。「キリスト教系ながら、生徒の自主性を重んじる学校」(前出の塾経営者)として知られ、松重も自由を満喫した。3年の時に福岡出身の石井聰亙(現石井岳龍)監督の映画「狂い咲きサンダーロード」を見てパンク魂が揺さぶられた。

 映画監督になりたいと思った松重は、石井監督と同じ日大芸術学部に入ろうと考えたが、結局断念する。学費が想像以上に高かったからだ。そこで目指したのが、ずっと安く済む明治大文学部だった。同学部文学科演劇学の卒業生には日芸中退の石井監督と同じくらい尊敬する唐十郎がいた。ちょうど時代は小劇場ブーム。唐、寺山修司といったアングラ界のカリスマたちに憧れていた。

 無事、明治大に合格した松重はさっそく、自身の劇団を旗揚げ。まったく芽が出なかったが、この頃さまざまな人物と出会う。ザ・ブルーハーツを結成する前の甲本ヒロト、日芸の三谷幸喜……。法政大の学生だった甲本は下北沢の中華屋のバイト仲間。松重が初めて監督を務めた「劇映画 孤独のグルメ」(今年1月公開)では甲本の所属するザ・クロマニヨンズが主題歌を担当した。また、三谷が東京サンシャインボーイズを立ち上げる際には役者として参加した。

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