「24時間テレビ」大成功で日テレが背負った十字架…来年のチャリティーランナー人選が難航
そう語るのは、日テレの中堅社員だ。
しかし、この大成功こそが、制作サイドの首を絞めることになったのだという。成功の最大の要因は、横山がマラソンを走ることに伴う「大義名分」が、あまりにも強固で純粋過ぎた点にある。今回、番組で詳細に語られた彼の過去は、複雑な家庭で、父親違いのふたりの弟の面倒を見てきたという、トップアイドルという華やかなイメージとはおよそかけ離れた壮絶なものだった。
横山は、出演にあたり日テレ側に「集まった募金の全額を、子どもたちの支援に使うこと」を絶対条件として提示していたという。「学歴もないアホな自分でも、走ることで何かを伝えられるはずだ」。その言葉通り、彼の走りは7億円という具体的な支援となって結実した。
番組の成功を受け、日テレは早々に来年(2026年)の「24時間テレビ」の放送と、チャリティーマラソンの継続を決定したという。となると、制作陣が直面するのは、「ポスト横山」を誰にするのかの問題だ。
「横山さんの成功は、チャリティーランナーに求められるハードルを極限まで引き上げてしまった。もはや単なる人気者や話題性のある人物というだけでは視聴者は納得しないでしょう。横山さんのように、『なぜ自分が酷暑の中を走るのか』という問いに対し、誰もが共感できるだけの正義と、それを裏付ける壮絶な実体験がなければ、『また感動ポルノか』という批判が再燃するのは必至です。しかし、芸能界広しといえど、横山さんほどの熾烈な過去を背負い、かつそれを真摯なメッセージに昇華できるタレントが、そう何人もいるわけではありません」(番組制作関係者)