NHK「ダーウィンが来た!」知られざる撮影現場 世界初映像はこれまで150本以上
■一番の苦労はアポが取れないこと!?
多摩川河川敷の定点観測から、ほとんど目撃されたことのない絶滅危惧種の野生のコビトカバまで、番組コンセプトは「視聴者が見たことない映像を提供する」だ。そのための企画、取材、撮影の苦労は大変なものだろうが、どんなスタッフがやっているのだろう。
取材・撮影は基本的にディレクターとカメラマンの2人1組というから、意外に小チームだ。約20人のディレクターがいて、企画が決まると、1~2カ月かけて準備をして取材・撮影に出かける。一応、半年先の放送をめどに進行するが、「動物はアポが取れないので」(担当プロデューサー)、行ってみたら目当ての動物がいなかった、狙った通りに餌を取ってくれないなんてことはいつものこと。アフリカの沼のほとりで、毒虫の襲来を受けながら、狭い撮影用テントの中で3週間もチャンスを待ち続けたチームもいたという。
「制作費は1本2000万円前後。ドローンやハイスピードカメラなど機材の進化で、これまで難しかった映像も撮れるようになっています。まだまだ『世界初』の映像が楽しめそうですね」(前出の編集デスク)
BS4K(水曜夜6時)で見ると、映像はより細密できれいだが、残念ながら、休日に晩酌をやりながらというわけにはいかない。
(コラムニスト・海原かみな)