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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

加納典明(53)クリエーターは見る人、読む人に「精神的刀傷」を負わせるべきだよね

公開日: 更新日:

 作家増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇ 

増田映画は駄目だということを先日おっしゃってましたけども、たとえば歌舞伎なんかはどうですか」

加納「昔は見たことあるよ。でもダメだね。古すぎる」

増田「表現形態として?」

加納「見てられない」

増田「ミュージカルは」

加納「ダメだね。映画もダメ。古すぎるんだよ」

増田「歌手のコンサートなんかは行かれますか」

加納「音楽は好きですけどね。玉置浩二のコンサートとかだったら腰あげてもいいけども、そういう表現者がめったにいないんですよ。玉置浩二は好きです。彼のコンサートなら行きたい」

増田「映画は歌舞伎と同じくらい古びた表現形態になってるんですか。典明さんのなかでは」

加納「そうだね。古いね。いいものもあるよ、ときどきだけど。『ミスティック・リバー』*とか」

※ミスティック・リバー:2003年公開のアメリカ映画。3人の男の子供のころの性的被害を軸に描かれたデニス・ルヘイン原作の社会派ミステリー。監督はクリント・イーストウッド、主演はショーン・ペン。数々の映画賞にノミネートされた。

増田「ああ、あれですか。最初のシーンで子供たち3人がボールが遊んでて、知らない男に1人連れ去られて行方不明になるっていう」

加納「そう。連れていかれなかったうち1人が刑事になって。もう1人を演じたのがショーン・ペン*で。監督はええと……」

※ショーン・ペン:1960年生まれのアメリカの俳優。1989年の『俺たちは天使じゃない』、1993年の『カリートの道』などで着実に評価を高め、その後はベルリン国際映画祭男優賞、カンヌ国際男優賞、ベネチア国際映画祭男優賞を受賞するなどしてトップ俳優に。『ミスティック・リバー』で悲願のアカデミー主演男優賞。

増田「クリント・イーストウッドですね」

加納「そうそう。あれはよかった」

増田「典明さんのなかで、駄目な作品とどういった点が違うんでしょう」

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