【捕手】坂本誠志郎はベンチスタートでも試合に出ているかのように分析、研究していた
1977年ドラフト5位で内野手として阪神入団、引退直後の82年から昨年まで43年間にわたり、スコアラーとしてチームを支えたのが飯田正男氏(66)だ。プロ野球史上最速でリーグ優勝を果たした阪神の主力選手の思い出話を交えつつ、スコアラー目線で分析してもらった。
3回目は、リーグ屈指の投手陣を支えた坂本誠志郎(31)、梅野隆太郎(34)の捕手陣について──。
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──今季の優勝は、正捕手に定着した坂本の成長を評価する声が多い。
「誠志郎は非常に研究熱心です。スタメンマスクをかぶらない試合であっても、試合に出ているかのように相手打者のことを分析、研究していました。そういう準備をしていたことが今、生きているのかもしれないですね。打撃についてもしかりです」
──飯田さんともよく話をしていましたか?
「僕がいた頃は、選手の中でも一番初めくらいに気になったことなどを聞きに来る。昨年は嶋田宗彦バッテリーコーチと攻め方について念入りにミーティングをして試合に臨んでいました。この打者はこう攻めましょうなどと、自分の持っている意見も言う。それだけ研究しているということだと思います」