最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~銀次郎(寛一郎)、逃げて~! あさイチ・博多大吉の言葉に同意してしまった
第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」#16
【朝ドラのツボ!】
傳(堤真一)の死から数日、機織り工場は閉鎖が決まり、トキ(高石あかり)は仕事を失ってしまう。借金取り・森山(岩谷健司)は容赦なく松野家に返済を要求し、トキに遊女となるよう提案する。
それでも、なんとかなるとお気楽な松野家の面々の中、銀二郎(寛一郎)は一人、危機感を覚える。銀二郎はトキを守るため、仕事を増やそうと森山に仕事を紹介してもらうが、朝から朝まで働くことになった銀二郎の負担は相当なものだった。
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【本日のツボ】
銀二郎、松野家から出奔!
※※以下、ネタバレあります※※
それにしても松野家は婿殿を酷使し過ぎです。朝から晩まで働きづくめなうえに、夜は遊郭の客引きまで。松野家の借金のために、そこまで身を粉にして働いている銀二郎に対して、感謝するどころか、勘右衛門などは「我が家の格が下がる」ですから。「帰るぞ」と言うも、動こうとしない銀二郎。
「何をしちょる。これ以上、恥をさらすな」と勘右衛門の言葉に、「格を気にしとる暇はございません。一家5人、生きてゆかねばならぬのございます。そのために私は…。おじじ様もいっそ、鎧や刀を売って、金を作ってはいかがですか!」と、あの従順な銀二郎がついに爆発しました。
「おじじ様、私はいずれ当主を継ぐものとして…」、そんな銀二郎の言葉を遮るように、「要らぬわ~。おぬしが恥を晒して得た金など、松野家には要らん! 一銭たりとも入れるでないぞ」と勘右衛門。武士のプライドが許さないようです。
剣の稽古をしていたあの仲良き姿がもう見られないのかと思うと、悲しくなります。
銀次郎、逃げて~!
夜中に帰って来た銀二郎。起きて待っていたおトキを外に連れ出し、「どこか遠い町で、暮らしませんか。だ~れも知らん町で、ふたりっきりで」と誘います。
「きょう、遊郭の客から聞いたんです。都会には山ほど仕事があって、給料もごっついし、それに、それに松江では聞けん怪談がようけあるようで。たとえば東京では今、『牡丹灯籠』いう怪談が大流行りしているそうです」と。
おトキの好物、怪談で釣れば、一緒に家を出てくれるのではないか、と賭けたのかもしれません。
結局、置き手紙を残し、ひとり出奔した銀二郎。
「おじょ、連れ戻してきなさい」「金は作った。跡継ぎを連れ戻してまいれ」と勘右衛門。銀二郎に言われたとおり、鎧や刀を小道具やに売って、金を工面した模様です。いくらになったのかはわかりませんが、そのお金でおトキを東京に行かせるよりも、借金返済に充てたほうが…。
心優しい銀次郎のことだから、おトキが迎えに来たら、また借金地獄生活に逆戻りしてしまうかも。「あさイチ」の大吉さんが、「逃げて~」と言っていたのに同意します。銀二郎に幸あれ。
(桧山珠美/TVコラムニスト)