自分の無頓着を反省…31年前に手術した患者さんから聞く後日談
先日、おすし屋さんに行きました。店主は31年前、私が冠動脈バイパス手術を行った患者さんです。記憶では「若いのに冠動脈がボロボロじゃないか!」と感じた重症患者さんでした。
患者さんが51歳の時、ある大学病院から紹介を受け、手術をさせていただいたのですが、その後、すし職人として、店のオーナーとして体調は順調だったとのことです。
手術をした時、彼は新しい店舗を新築して新規開業したばかりの、まさに「これから」という時だったとのことです。どえらい時期に「心臓の手術を受けろ!」などといった現実を突きつけられた彼の胸中は、どのようなものだったのでしょうか。
手術をさせていただいたのは私が36歳の時。当時、そんな事情は全く気にしていなかったと思います。つくづく自分は、患者さんの立場や思いに無頓着だったのだなぁ、と自分の無能さにあきれてしまいました。
そうやって、手術をした患者さんの「あの時は実はこうだったんですよ!」という後日談に触れることもよくあります。