著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

公開日: 更新日:

 その一方で田原には別の考えがあった。母を安心させるために高校は行くにしても、測量士や建築関係の仕事に就くつもりはなかった。中学から思い描いていたビジョンがあったのだ。貧乏から抜け出すには芸能界に入るしかないと--。

 高校入学の直後、ジャニーズ事務所に履歴書を送った。だが、いつまで待っても返事は来ない。業を煮やした田原は夏休みに事務所を訪ねてみることにした。ジャニー喜多川氏に直談判することにしたのだ。「行けばなんとかなると思っていた」と著書で振り返っている。

 東京は小学校の修学旅行以来である。事務所に押しかけると、秘書が「ジャニーさんは有楽町の日劇にいる」と教えてくれ、さっそく会いに行った。

 この無邪気で無鉄砲な行動が功を奏した。ジャニー氏はいろいろ質問したあと、「毎週日曜日だけでもいいからレッスンに来なさい」と言った。研修生として採用されたのである。田原に光るものを感じたに違いなかった。レッスンを終えると、ジャニー氏は毎回、中央本線で甲府に帰る田原を新宿駅のホームまで見送ってくれた。

 だが、デビューまでの道のりは長かった。高校を卒業しても、まだ中ぶらりんのままだった。卒業から3カ月後、ようやく「3年B組金八先生」のオーディションに合格。放送が始まってまもなく、中3を演じる田原は19歳の誕生日を迎えた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン