嵐、ミセス効果で注目集める“ライブ映画” 「今は昔、栄養映画館の旅」は一見に値する

公開日: 更新日:

■浮かび上がるさまざまな人間性

 移動中の柄本と劇団員のおしゃべりや、各映画館での観客の反応、観客と柄本との触れ合い、打ち上げの模様などが収められ、ライブに関わった人たちのさまざまな人間性が浮かび上がる。柄本は公演期間中に2度点滴を受けながら完走。76歳の俳優がライブ公演に臨むことで力を得ていくさまが心地よい。劇団員に語る「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」に出演した時のウィーンロケの話も面白いし、彼の素の顔が端々にのぞく。また柄本主演の「カンゾー先生」のパンフレットを持ってきてサインしてもらうディープなファンや、東京乾電池にかつて在籍していた元劇団員たちも顔を見せ、観客側の人生模様も映し出されていく。会場の映画館は単館の個人経営映画館ばかりで館主たちにもドラマがある。

 日本映画は元々、芝居小屋の出し物の代わりに上映する見せ物のひとつとして大衆に受け入れられた。そんな原点に返ったような、娯楽メディアとしての臨場感、見る者を巻き込む高揚感が気持ちよく味わえる作品だ。

 東京では、新文芸坐やシネマヴェーラ渋谷などで、今回の映画上映に合わせた朗読劇「今は昔、栄養映画館」付きイベントも行われたが、4月には早稲田松竹で朗読劇と上映を予定。ライブ自体の魅力を表現した映画として、この作品は一見に値する。ライブとはこれほど楽しいものなのだということを体感できる異色の記録映画だ。

(金澤誠/映画ライター)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    中丸雄一「アパ密会」から2年で“冠番組”…禊は済んでも「元のポジション」には戻れないワケ

  5. 5

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  1. 6

    趣里「大空港」視聴率好調も評価は伸び悩み…父・水谷豊「相棒」後継への期待と“日本的な弱点”

  2. 7

    反町隆史「GTO」は視聴率3%台に…同じ“復活作”でも「プラダを着た悪魔2」と明暗分けた大きな違い

  3. 8

    伝説の『アメリカ横断ウルトラクイズ』来年復活へ 番組を取り巻く環境の激変で日テレに突きつけられた課題

  4. 9

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  5. 10

    不倫問題の西武・源田壮亮に同情が集まる意外なワケ…妻・衛藤美彩の“幸せアピール”に疲れ果てた?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  3. 3

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  4. 4

    北島三郎(2)2018年に次男が急逝「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった」

  5. 5

    SNSで大バズリ! 高市首相の「激ヤバ発言動画」発掘がブームに…中には悪質な切り取りも

  1. 6

    『ヘイ・ブルドッグ』ポールの見事なアドリブに感じるコーラスグループのすごみ

  2. 7

    有望高校球児の進路事情に異変! 青学大は「ドラフト指名と同等の価値」「明大より上」とプロスカウト

  3. 8

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  4. 9

    新庄日本ハム舵切り「2位シフト」 騙し騙し起用の万波中正をついに登録抹消

  5. 10

    東京・銀座、KK線再生で誕生、東京スカイコリドーは高さ8.5メートル天空の遊歩道