『ミッシェル』はコード進行も歌詞も仏語も甘~い「昭和のポピュラー」
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アルバム『ラバー・ソウル』(1965年12月3日発売)④
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■『ミッシェル』
ポールの『ドライヴ・マイ・カー』に対して、ジョンが『ひとりぼっちのあいつ』で応戦。そしてポールが次に繰り出すのは、この『ミッシェル』である。
おそらくは、このアルバムの中で、もっとも有名な一曲だろう。そして同じくポールによる『イエスタデイ』と並び称されることも多い曲である。
いわゆる「名曲」として語られ、さらには(原曲にさらに輪をかけて)甘ったるいムードミュージックにアレンジされて、喫茶店のBGMとしてかかったりする。
ま、スタンダードというか、昭和の感覚でいう「ポピュラー」という感じの曲といっていい。
ただ、まだ原石のような『イエスタデイ』に対して、こちらは計算ずくで、甘ったるい世界を作り出している。そんな計算された曲作りという意味で、ソングライター・ポールの成長が現れているのだが、甘ったるい分、私の採点は『イエスタデイ』よりも低い。
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ではどう甘いのか。まずコード進行が「甘~い」。試聴リンク再生時間「0:45」からの「♪(アイ・ウィル)セイ・ジ・オンリー・ワーズ・アイ・ノウ・ザット(ユール・アンダースタンド)」のところのコード進行のとろけるような甘さたるや(俗に「クリシェ」といわれる「甘~い」半音下降進行)。
歌詞も「甘~い」。英語が通じないフランス人に対して、愛を告白するという、設定自体が「甘~い」。歌詞にフランス語が使われているのも「甘~い」。ちなみに歌い出し「♪(ミッシェル)マ・ベル」は「私の恋人」という意味。さらには「愛してる」をしつこく繰り返しているのなんて「甘過ぎる~」。
そんな甘々な部分が評価されたのだろう。1966年度のグラミー賞でソング・オブ・ザ・イヤーに輝くのだが、個人的には『ドライヴ・マイ・カー』の方に『ミッシェル』の倍ほどの採点を付けたいと思うのである。
でも──70年代後半にタイムトリップして、当時のNHKFMの「ポピュラー」の番組で聴いたら、いいだろうな。厳しい採点をちょっと「甘~く」水増ししたくなるだろうなぁ。
「というわけで最後は、ビートルズの『ミッシェル』、カーペンターズの『遥かなる影』、ジリオラ・チンクエッティ『雨』、3曲続けてお届けしましょう。NHK『ポピュラーの夕べ』。担当はスージー鈴木でした」
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