破門宣告23回は落語界随一 三遊亭好楽“酒のしくじり”伝説

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 そのまま2階の物置代わりの小部屋に並べといたんですが、師匠はお年もお年ですから、そんなに量を飲まない。どんどんたまっていく一方で手狭になったんです。

 それで、師匠が地方の寄席へ出かけて1週間ほど留守にした際に、荷物の整理と称して、留守番のアタシが仲間を呼んで全部飲んじゃった。日本酒もあれば、結構なお値段の洋酒も多かったですよ。師匠が帰ってきて部屋をのぞいたら、あるべきモノがないんですから、そりゃあ怒りますよ。

■後始末は母親が

 でも、こんなのは可愛いもので、浅草の師匠の自宅そばにあったスナックに行きましたら、棚にジョニ赤(ジョニーウォーカー赤ラベル)が飾ってありましてね。1ドルが360円で関税も酒税も高かった時代。今なら1500円ほどで買えますが、その頃は1万円ほどだったでしょうか。

 珍しかったんで、「それもらおうか」って、値段も聞かずに噺家の仲間と5、6人で飲んじゃった。金なんてないんだから、もちろん師匠のツケです。


 で、スナックから請求書が来て、飲み代が計5万1000円。45年以上前ですよ。かけそば100円、ラーメン120円、大卒の初任給が1万2000円ぐらいかな。そんな頃ですから、今なら100万円は軽く超えてるでしょうね。

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