膀胱がんで「全摘」とならないために知っておきたい3つのポイント
膀胱がんは全患者の94%を60歳以上が占める高齢者に多いがんだ。主なリスク因子は喫煙になる。超高齢化で患者数が増えている膀胱がんについて、知っておきたいことを医師に聞いた。
膀胱がんは、がんの広がりや深さによって「筋層非浸潤性膀胱がん」と「筋層浸潤性膀胱がん」、「転移性膀胱がん」に分けられる。比較的早期(=筋層までは及んでいない)が「筋層非浸潤性膀胱がん」、進行し筋層まで及んでいるのが「筋層浸潤性膀胱がん」。患者の7割は筋層非浸潤性膀胱がんになる。
自覚症状の多くは、血尿だ。
「男性は排尿を自身で確認しながら行うので、発見が早い。一方で女性は座位で排尿し、尿そのものを見ないで流してしまうため、男性より発見が遅れる傾向があります」(聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科・菊地栄次主任教授=以下同)
製薬会社「フェリング・ファーマ」が筋層非浸潤性膀胱がんの患者男女200人を対象にアンケート調査を実施。膀胱がんを疑った最初のきっかけは「血尿」が最も多く66%だった。それ以外では、「頻尿がひどくなった(10%)」「排尿時に痛みがあった(8%)」もあった。