身勝手な党首会談の醜悪 この国の政治を劣化させたのは間違いなく野党だ

超少数与党の高市総裁は首相指名までに何とか、野党の協力を取り付けようと死に物狂いだが、その一方で、決裂が見えている野党会談の猿芝居。こんな政治を招いた責任は野党にもあるのに、この期に及んで高市に恩を売る算段ばかり。55年体制以降、野党がまともに機能したことは一度もないエセ議会制民主主義の惨憺。
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15日の永田町は目まぐるしかった。21日召集の臨時国会冒頭の実施が見込まれる首相指名選挙をめぐり、朝から晩まで与野党の多数派工作が繰り広げられた。
「自民党総裁になったけれど『総理にはなれないかもしれない女』と言われている、かわいそうな高市早苗」を自称する自民党の高市総裁は、野党3党の党首と相次いで会談。四半世紀も連れ添った公明党に逃げられ、超少数与党に転がり落ち、「ポスト石破」を選ぶ首相指名選挙までに野党の協力を取り付けようと死に物狂いだ。会ったのは野党統一候補の擁立を目指す立憲民主党の野田代表、立憲が担ごうとする国民民主党の玉木代表、上京した日本維新の会代表の吉村大阪府知事の順。握りようがない野田とはサラッと済ませた一方、総裁選翌日に密談するほど猛アプローチ中の玉木には「一緒に責任を担っていきたい」と連立政権樹立を呼びかけた。
しかし、「わが党が加わっても過半数に届かない」と公明離脱後の決まり文句で返され、具体的な進展はなかった。
高市に光明が差したのは日が暮れてから。