大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く
約半年の会期を終え、大阪・関西万博が13日閉幕した。「きょうで最後だ」と多くの来場者が訪れ、会場内はエグいほどの混雑ぶり。当初掲げられていた「並ばない万博」には程遠く、最後の最後までメチャクチャ並ぶのだった。
日刊ゲンダイの記者が会場に到着したのは午前9時半ごろ。地下鉄夢洲駅のある東ゲートは、すでに大勢の来場者が入場の待機列をつくっていた。午前中こそ会場内の人通りは少なかったが、昼ごろになると、次々に来場者が押し寄せ、いよいよ混雑は本格化。大屋根リング下のベンチも人でいっぱいになり、座る場所はもちろん、日陰を探すのも一苦労だった。
この日、大阪の最高気温は29度で、日差しがとても強かった。休憩場所が見当たらなかったのか、車椅子に乗った高齢の女性が、日射にさらされグッタリした表情をしていたのが気の毒だった。
会場内は、ベンチも、室内休憩所も、フードコートも激混み。仕方ないので、地べたに座って休憩する“ジベタリアン”がそこら中で見られた。これも万博テーマの「未来社会のデザイン」といったところなのか。
目玉のパビリオンは、並ばずに入れるものなど、もはや一つもなかった。昼のピーク時には、多くの人気パビリオンに「入場規制」が敷かれ、列に並ぶことさえできなくなっていた。中・小規模パビリオンでさえも、1時間待ちはザラ。唯一「並ばずに入れる」とされていた共同館「コモンズ」までが、15分待ちだ。
ある女性は、「人気パビリオンのイタリア館に絶対行きたくて『5時間でも並ぶぞ』と意気込んでいたのですが、6時間待ちと聞いて諦めました」と、ガッカリした様子だった。
ただ、パビリオンに長蛇の列ができるのは、最終日に限ったことではなかった。来場者数が比較的少なかった6月時点ですでに会場内で混雑が見られ、並ばずに入場できるパビリオンはほぼなかった。
今回の万博は、混雑への不満の声が少なくない。来場者数に対し、パビリオンなどのキャパが少ないという欠点は、最後までついてまわった。
結局、当初の制度設計が間違っていたのではないか。黒字化を実現するためには大混雑を容認せざるを得ず、混雑しないと赤字になってしまう。