「気持ち悪い虫に刺されたな」キャンプ後に痛痒さを感じたが放置した男性は…ツツガムシ病の危険性
キャンプや登山、ゴルフが趣味の人にとって、野外で虫に刺されることは珍しくありません。しかし、その「ただの虫刺され」が命に関わる病気につながることがあります。
Aさん(50代男性)は関東近郊に住み、平日は都心に通勤する会社員。休日には家から1時間ほどの山へキャンプに行くのが趣味でした。ある日、キャンプから帰宅後に右の腰あたりに痛痒さを感じ、かきむしると爪ほどの大きさの黒っぽい虫が剥がれ落ちました。「気持ち悪い虫に刺されたな…」と思ったものの、病院には行かずに放置してしまいました。
ところが、1週間程経った頃から39度の高熱が出て、強い頭痛や寒気、全身のだるさが出現しました。風呂に入る前に鏡を見ると全身に赤いぶつぶつが広がり、刺された箇所は黒いかさぶたができていました。ついに体を動かすのもつらくなり救急車を呼び、搬送先のA大学救急部でツツガムシ病(リケッチア感染症)という聞きなれない病名を診断されました。即日入院となりましたが、入院中に抗菌薬を投与されたところ、翌日には熱は下がり数日で退院となりました。