「スノーピーク」再生を巡る米投資ファンドの思惑…元スタバCEOが新社長に就任

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 10月1日、アウトドア用品の企画・販売を手がけるスノーピークの新社長に水口貴文氏が就任した。前社長で創業家の山井太氏は会長に就いた。

■2022年にスノーピークの社外取締役に就任

 水口氏は1989年に上智大学を卒業後、米コンサル会社に入社。その後、家業の靴製造事業を継いだが、バブル崩壊の影響で事業を清算。2001年にルイ・ヴィトン・ジャパンへ転じ、後にグループ会社のロエベジャパンCEOを務めた。14年にはスターバックスコーヒージャパンに入社し、COO(最高執行責任者)を経て、16年にはCEOに昇格している。

 スノーピークとの関わりは22年、社外取締役への就任に始まる。25年4月までスターバックスを率いたのち、スノーピークのトップに転じた。

 米国のスタバはモバイルオーダーの導入に伴い、店内が混雑、回転率向上を目的とした座席の削減などで客離れが加速。経営が悪化し、9月には400店舗超を閉鎖した。一方、日本のスタバは水口氏の下で店舗数は約1200から2000超と拡大。季節限定メニューなど商品企画のヒットが続く。

 そんな水口氏を迎えるスノーピークは現在、事業再建の渦中にある。コロナ禍のアウトドアブームで22年度の売上高は300億円を超えたものの、23年度は257億円まで減少。24年度第1四半期には赤字転落した。MBO(経営陣による買収)を経て、24年7月に上場を廃止している。

「アウトドアウエア全体の人気は高いが、スノーピークはテントやマグカップなどが中心で、ウエアの売上比率が低い。キャンプ用品は頻繁に買い替えるものではなく、中古市場も拡大している」(アパレル業界関係者)

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