肉体は死後どのように変化するのか

公開日: 更新日:

 血流が途絶え、やがて死後15~25分後に、体の隅々まで行き届いていた酸素も欠乏する。細胞が酸欠状態になり、「肝臓」「腎臓」「呼吸器」「消化器」など体中にある臓器の活動が停止する。

 その次に起こる肉体の変化は、これら臓器を形成している組織の死だ。その後、組織をつくっている細胞が死滅して、完全に生命を閉じることになる。

■直後は全身がゆ緩み、死斑は12時間後ピークに

 ただ、体内にはエネルギーの放出や貯蔵をし、筋肉運動を担う化合物の「アデノシン三リン酸」(ATP)が残留している。死亡直後、全身の筋肉はいったん弛緩する。弛緩すると体内から「尿」や「便」「胃液」が排出される。

「亡くなった人の鼻などに綿を詰めるでしょう。これは、体内から排出される水っぽいものを防ぐためです」(大野教授)

 それでは、死後に生じる「死斑」は、どうして起こるのか。

 血液の循環が止まると、血液は重力によって体の低い位置に沈下してしまう。これが死斑だ。死亡から数時間後、沈下した死斑が紫色になって、皮膚の表面に現れる。死後12時間ほどで最も強くなる。司法解剖などでは、死亡推定時刻を調べるのに、この死斑の変化を参考にすることがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に