脳卒中は「夏の病気」? 熱中症と間違えないよう要注意!

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 夏本番が迫っている。外出時のマスク着用にも慣れてきたが、夏場にマスクをつけると熱中症のリスクが高まると指摘されている。周囲に人がいない時はマスクを外し、こまめに水分補給をすることが大切だろう。

 夏に注意すべき病気は熱中症だけではなない。実はいちばん気をつけたいのは「脳卒中脳梗塞)」だ。国立循環器センターの調査によると、1年の中で夏場(6月~8月)が最も脳梗塞の発症率が高くなる。

 その理由は2つ挙げられる。①夏は体が脱水状態になって、血液がドロドロになりやすい。②夏は体が熱を放出しようと血管が拡張し、血流が悪く(血液の流れが遅く)なってしまう。すると、血管が詰まり、命に関わる脳梗塞が発症する危険性が高まるのだ。

 脳梗塞の初期症状は、めまいや頭痛、吐き気や倦怠感など、熱中症と非常に似ている。軽視していたら、取り返しのつかない事態になってしまうので注意が必要だ。

 では、夏場でも血液の流れを良好に保つにはどうすればいいのだろうか? 「自律神経を整える『長生き呼吸法』」(アスコム)を刊行した順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、「血液の流れを良くするには、普段の呼吸を『ゆっくり深く』することが大切」だと話す。

「人間の血管には、すべてに自律神経が沿って走っています。血液の流れをコントロールしているのは自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成されていて、2つのバランスが崩れてしまうと血液の流れが悪くなってしまいます。しかし、ゆっくりと深く呼吸すると自律神経のバランスが整い、血流がアップすることがわかってきました」

 なぜ、呼吸をゆっくりと深くするだけで自律神経のバランスが整うのだろうか?

「それは、肺を収縮させる横隔膜という筋肉には自律神経が集まっているからです。ゆっくりと深く呼吸すると、横隔膜が大きく動き、刺激を与えることができます。すると、リラックス効果のある副交感神経のレベルが高まり、自律神経のバランスを正常にできるのです。私の研究では、ゆっくりと深く呼吸をすると、すぐに毛細血管の血流量がアップすることを確認しています。つまり、呼吸には一瞬で体の状態を変える力があるのです」

 今年の夏は、マスクの着用によって浅い呼吸になっている人が多いという。すると、自律神経のバランスが崩れ、血流が不足してしまう。

 小林氏は、呼吸の質を高めるために「長生き呼吸法」を考案した。「長生き呼吸法」には基本のやり方(※第1回の記事をリンク)に加え、シチュエーションに合わせた8つのアレンジメソッドがある。今回はその中から、よりゆっくり、そしてより深い呼吸を意識してトレーニングできる「集中力アップ呼吸」を紹介する。

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