いびき解消「3つのメソッド」で自分で治すことを目指す

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 軽症者や自覚症状のない予備軍も含めると、日本人の5人に1人が患っているという、睡眠時無呼吸症候群(SAS)。日本睡眠学会専門医で「RESM新横浜」(神奈川県横浜市)の白濱龍太郎院長は言う。

「SASのサインであるいびきを放置しておくと、重症化し、高血圧症などの進行にともなう狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、糖尿病などの代謝系疾患を招き、最悪の場合、突然死のリスクを高めることもあります。また、うつ病やAGA(男性型脱毛症)、ED(勃起不全)など、心や身体にさまざまな悪影響も与えてしまいます」

 いびきの治療は、専門医療機関で受けるのが望ましいですが、いきなり病院に行くのはハードルが高いし、中には今のところ軽症という人もいるだろう。そこで、白濱院長は「病院に行く前にまず、自分でいびきを治すことを目指す方法」を考案した。ここでは、白濱院長の著書「睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法」から、「いびき解消メソッド」の一部を紹介する。

 いびきを解消するための大きなポイントは3つある。1つ目は「舌の筋力」、2つ目は「眠るときの体位」、3つ目は「睡眠の質の向上」だ。

 いびきの原因には、骨格的なものや体型などさまざまあるが、最も直接的なのは「気道が狭まること」である。気道が狭くなってしまう原因として、とくに注目したいのが、睡眠時に舌が喉の奥の方に落ち込んでしまう「舌根沈下」と呼ばれるものだ。舌の筋肉の緊張が緩む睡眠時に誰にでも起きるもので、加齢に伴い舌の筋肉が衰えてくると、一層起こりやすくなるという。

仰向けは舌根沈下を起こしやすい

「いびき解消メソッド」の1つ目は、そんな舌の筋肉を鍛えるための「舌の筋トレ」だ。

「いくら舌の筋肉を鍛えても、寝ている間は身体中の力が抜けてしまうから、効果がないんじゃないか?と思われるかもしれませんが、心配には及びません。2009年にブラジルのサンパウロ大学の睡眠研究チームが、舌を中心にした口周りのトレーニングを続けることが、いびきの軽減につながるという研究結果を発表し、医学的に効果がある行為と認められています」

 舌の前後運動、上下運動、回転運動、舌やあごの運動、頬の運動など5つの筋トレを毎日続けることで、舌の筋肉を強化し、いびきの原因となる舌根沈下が抑制できる。

 2つ目は眠るときの体位だ。仰向けの姿勢は、前述した舌根沈下を起こしやすい。横向きの姿勢で寝ることが、舌の落ち込みを防ぎ、気道を広げる働きをしてくれるのだという。

「いびき解消メソッド」では、「シムスの体位」という姿勢で寝ることを推奨している。妊娠中期以降の妊婦にとってベストとされる睡眠時の体位だ。体を横向きにして寝て、上側に来る脚のひざを曲げて前に出す体勢のことで、体の緊張がほぐれ、リラックスした状態で眠ることができる。

「シムスの体位は、妊婦さんのみに限られた寝方ではありません。ただ体を横にするだけよりも、足を曲げることによって安定性を持たせることができるので、入眠時にシムスの体位になる癖をつけることが大事です。抱き枕やクッションを活用すると、無理なくこの姿勢になることができるのでおすすめです」

朝のみそ汁が睡眠の質をサポート

 3つ目は、睡眠の質を上げること。睡眠の質の良し悪しといびきの発生率は相関関係にあるというデータもあり、睡眠の質を上げることがいびきの軽減につながるという。

「いびき解消メソッド」では、「朝食に一杯のみそ汁を飲むこと」を推奨している。みそには、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が含まれている。トリプトファンは、体内で「セロトニン」という自律神経の安定を促す物質に変換され、その後、「メラトニン」という睡眠ホルモンの原料になる。このサイクルには14~15時間かかるため、朝食にみそ汁を飲むと、眠る頃にちょうど睡眠ホルモンのメラトニンが作られ、質の良い睡眠をサポートしてくれるというわけだ。

「舌の筋トレ」「シムスの体位」「朝食のみそ汁」の3つを毎日続けることで、いびきの改善につなげられる。次回は、いびきをかかない体をつくる生活習慣のコツを紹介する。

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