(2)子どもの斜視を放置すると「弱視」や「視力低下」に

公開日: 更新日:

 前回紹介した「日本人における斜視の有病率の全国調査」(京都大学大学院医学研究科)では、若年層に斜視が多いことが分かりました。今回は子どもの斜視を取り上げます。

 子どもの斜視に詳しい佐藤美保・浜松医科大学客員教授はこう話します。

「子どもの斜視は早期発見がとても重要です。放置すると弱視や視力低下につながりますし、両眼視機能(左右それぞれの目で見た像を統一する働き)を一生獲得できない恐れがあります。また、斜視は網膜芽細胞腫という乳幼児に特有の悪性腫瘍や脳、神経系の異常のサインのことがあるため早期発見して適切な治療をすることが大切です」

 両眼視機能を失うと、将来にわたりさまざまな症状に悩まされる可能性があるそうです。たとえば、ものが二重に見える、前後左右の距離感がつかめない、目の痛みや疲れ、頭痛などで日常生活にも支障をきたします。大人の場合は斜視治療で改善できますが、子どもの時に失うと、改善が難しくなります。

 佐藤客員教授によると、これまで行われてきた幼児の視力検査は精度が低く、片方の目だけ視力が悪い場合は自覚しにくいため、弱視を見逃すリスクがあるそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  3. 3

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    我が専大松戸がセンバツ王者で無敗の横浜に大金星も、達成感、喜びをあまり感じない理由

  2. 7

    永野芽郁「キャスター」“静かにフェードアウト説”一蹴!主演映画も絶好調で“稼げる女優”の底力発揮

  3. 8

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」