加齢黄斑変性症と新型コロナの関係 重症化しやすく死亡率増

公開日: 更新日:

■炎症を調整するタンパク質の関連遺伝子が影響?

 では、なぜ、加齢黄斑変性症の患者は慢性炎症が起きていると考えられるのか?

「じつはこの病気の発症メカニズムを解明するため、加齢黄斑変性症の患者とそうでない人とそれぞれゲノムを詳しく調べる研究(ゲノムワイド相関解析)が進められていて、2005年には加齢黄斑変性症に深く関連している特殊な変異がCFH遺伝子中に確認されたとの研究報告がなされています。研究ではこの変異により、発症リスクが3~7倍高くなるとしています。このCFH遺伝子は、補体系という免疫系の一部の中で炎症を調節するタンパク質の産生に関与することがわかっています」

 その後、ARMS2遺伝子も発症に関わることも報告された。

「ARMS2遺伝子の機能に関して複数の報告があるものの、眼内での働きはよくわかっていません。しかし、CFH遺伝子とは別の形で、補体に関する炎症の制御に関わっていることが明らかになっています」

 加齢黄斑変性症が慢性炎症性疾患であることは全身炎症の指標であるCRP値の上昇から明らかになっている。白人を対象とした研究ではCRP値とCFH遺伝子多型とは相関関係があることが報告されており、炎症は目に限局したものではないと考えられている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった