著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

他の型の人に輸血可能な「O型」は万能血液 血液中の抗体と輸血のパターンは?

公開日: 更新日:

 血液型を決めるのは、赤血球の糖鎖(A抗原、B抗原、O抗原)ですが、もうひとつ重要な要素があります。それが各抗原に対する「抗体」です。

 A型の人の血液中には、B抗原に対する抗体(抗B抗体)が存在しています。またB型の血液中は抗A抗体、O型の人は抗A抗体と抗B抗体の両方を持っています。逆にAB型の人は、いずれの抗体も持っていません。

 A型の血液をB型の人に輸血すると、レシピエント(輸血を受けた人、この場合はB型の人)の抗A抗体が、ドナー赤血球(この場合A型)のA抗原と激しく反応し、ドナー赤血球が破壊されて「溶血」と呼ばれる現象が生じます。つまり輸血失敗です。同様にA型の人にB型の血液を輸血すると、ドナー赤血球のB抗原をレシピエントの抗B抗体が攻撃するため、やはり溶血反応が起こります。

 AB型の人は、抗A抗体も抗B抗体も持っていないので、A型、B型のどちらからも輸血を受けることができます。しかしAB型の血液を、A型やB型の人に輸血することはできません。AB型の赤血球にはA抗原とB抗原の両方が結合しています。これを仮にA型の人に輸血すると、血液中の抗B抗体が攻撃を仕掛けるため、やはり溶血を起こしてしまいます。B型の人に輸血しても同じです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」