消費増税まで1カ月 横行する「実質値上げ」の“トリック”
消費税増税まであと1カ月。じわじわと値上げラッシュが広がる中、イケアや無印良品など価格を据え置く会社もちらほら。消費者としてはそういう企業が増えることを願うばかりだが、一方で値上げはしないものの、商品の中身を減らす「実質値上げ」が横行しているのでダマされてはいけない。
食品大手の明治は、価格据え置きのまま、ブルガリアヨーグルトの「プレーン」に砂糖を付けるのをやめた。担当者は「消費者のニーズの変化とヨーグルトの改良によるもの」と強調していたが、ならば砂糖分の値下げをしてもいいのではないか。
高級アイスでおなじみのハーゲンダッツジャパンは、4月から主力の「ミニカップ」を値下げして、「クリスピーサンド」を値上げする。だが、7月にはミニカップの内容量を120グラムから110グラムに減らすため、ミニカップも実質値上げになるというからくりがある。減量を3カ月遅らせるのはなぜか。実にわかりにくい。
牛丼チェーンの「なか卯」は今月、牛丼をメニューからなくし、新たに「牛すき丼」の販売を始めた。値段は280円の牛丼に対し、新商品は350円。「どちらも並行して販売すればいいのでは?」と聞いてみたところ、担当者は「独自のブランドを押し出したい。割高感を感じるのであれば牛すき丼を選ばなければいい」と強気の姿勢だった。