東北へも拡大 ラッシュ化する“デング熱台風”が襲来する
先月の台風発生は1度きり。「8月に台風の発生が少ない年は、9月に増える傾向にある」(気象予報士)ともいわれるが、台風ラッシュはデング熱をさらに拡大させる。
国立感染症研究所によると、蚊の飛行距離は8キロ程度という報告もある。
国立環境研究所フェローの小野雅司氏はこう言う。
「蚊は台風や強風で大きく移動するとみられています。研究者の間では、台風によるデングウイルスに感染した蚊のさらなる“拡散”も心配されています。陸続きの国であれば、台風によって蚊は越境するし、東南アジアの諸島のような密集地では、島を越えて移動すると考えられている。今のところ東京近郊でしかデング熱の感染報告はありませんが、台風が東京近郊を直撃すると、通過の方向によっては東北~北陸地方への“拡散”は避けられないでしょう」
今後も頻発するとみられる豪雨もヒトスジシマカの繁殖にとっては好都合である。
「ヒトスジシマカは水たまりや古タイヤのくぼみの水のたまった隙間に卵を産みます。豪雨のあとは、繁殖に最適な環境です」(小野氏)
この1カ月は要注意だ。