専門家が分析 「下町ロケット」佃航平のリーダーシップとは
■リーダーに必要な3つの要素とは
「高いリーダーシップは、人の心に働きかけ、啓発と動機づけによって動かすことで実現されます。それには、リーダー個人に(1)能力(2)人間性(3)一貫性の3つが必要とされています。まず、佃社長は優秀な研究者で、仕事のスキルは申し分ありません。さらに、何をすべきか正しい判断を下せる意思決定力、それを確実に実行する行動力も兼ね備えています。それも、ただ単に戦略を決めるだけではなく、その目標に向かって自ら率先して実行し取り組んでいる。リーダーの能力として必要な3要素を兼ね備えているのです。だから周囲は、このリーダーならチームを成功に導いてくれるだろう、と考えるのです」
2つ目の人間性は「愛情」と「倫理」がカギになる。
「この場合の『愛情』とは、真摯な態度で接することであり、誠実さが重要なポイントになります。部下の話を適当にあしらったり、本音と建前を使い分けたりするようでは、だれもついてきません。また、『倫理』は、仕事に対する正義感やプライドのこと。不器用でもひたむきであることが重要になります。どんな相手でも小細工せず、熱く、粘り強く自らの考えを語って説得し、一生懸命に仕事に取り組む佃社長は、人間性の面でも優れています。社員が、このリーダーに認められたい、深い関係を築きたい、と思うようになるのは当然でしょうね」