意外に多い「大人の発達障害」はマニュアル化で克服する
子どもの間で増えているといわれる発達障害。他の人とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、じっとしていられなかったりするのが特徴だが、実は大人にも多い。「今の若いヤツは」と怒っていたのは、この先天的な障害が原因だったかもしれないのだ。
■1クラスに2、3人はいる身近な障害
IT企業に勤めるMさんの部下、Yさん(26)は有名女子大を卒業。サイト運営を担当しているが、何度注意しても同じ失敗を繰り返していた。「この前も注意したよね」と諭すと「はい」との返事。暖簾に腕押しで、怒りを通り越して呆れた。終始この調子で周囲の社員からも総スカン。対処法に困っていたところ、Yさんに発達障害の特徴的な行動が見られることに気づいた。
NPO法人若者メンタルサポート協会理事長の岡田沙織氏によると、
「今や発達障害は1クラスに2、3人はいるといわれる身近な障害で、大人も1~2%の割合で存在するともいわれます。発達障害は、性格や育った環境のせいではなく先天的な脳機能の障害。見た目では分からないのですが、時に理解されない行動を起こします。特徴を大まかに言うと、相手の気持ちなどをくみ取ることができず、認知する能力に偏りがあります。会社で起きがちな特徴をチェックリストにしました」