南さつま市で一度に6頭も クジラ座礁は大地震の前兆か

公開日: 更新日:

 10日午前11時ごろ、鹿児島県南さつま市の砂浜にマッコウクジラが打ち上げられているのが発見された。座礁したのは6頭で、うち1頭は当初鼻を動かしていたが、12日の午前中に死んだ。

 南さつま市は薩摩半島の西側に位置し、東シナ海に面している。今回のクジラはいずれも体長10メートルほど。同市では一昨年1月にもザトウクジラが1頭打ち上げられたが、県によると、一度に6頭は珍しいという。

 クジラの大量座礁となれば、疑いたくなるのが地震との関係だ。2011年2月のニュージーランド大地震では2日前に現地の島でクジラ107頭が座礁。同年3月の東日本大震災の際も1週間前に茨城県鹿嶋市の海岸にクジラ約50頭が打ち上げられた。

 クジラが陸に上がるのは地震の前触れなのか。

「両者の因果関係は科学的に解明されていませんが、何らかの影響はあると思われます」とは武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏(地震学)だ。

「クジラのような動物は電位差を感じ取る生物センサーが極めて敏感で、われわれが実験室で使う器具の10倍以上の精度を誇っています。視力の弱いナマズがエサを捕獲できるのはこの電位差を読み取ってエサの動きを捕捉できるから。地震によって海底の岩などがずれるとそこに予期せぬ電位差が発生する。この普通でない電位差によってクジラの方向感覚が狂い、座礁することが考えられます。また、クジラのエサである小魚が電位差で幻惑されて本来と違う動きになり、それを追いかけたクジラが座礁した可能性も否定できません」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  2. 2

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  3. 3

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  4. 4

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  5. 5

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  1. 6

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  2. 7

    8月の食品値上げは前年同月の1.5倍! インフレあおる無策日銀のせいで庶民生活は「限界突破」

  3. 8

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 9

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  5. 10

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃