【アンコウの酒盗干し】プリッとした身に独特の風味

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はち巻岡田(東京・銀座)

「はち巻岡田」の冬の定番といえば、アンコウの鍋だ。作家の山口瞳も著書「行きつけの店」で、「鉢巻岡田(原文ママ)の鮟鱇鍋を食べなくちゃ、冬が来ない」と書いている。

 アンコウは下ごしらえが手間だ。身を熱湯にさっと通し、ぬめりを取り、骨を外しながら、一口大に切り分けていく。さすがに、この丁寧な職人技をマネすることはできないだろう。ただし、スーパーや魚屋で切り身を手に入れられれば、自宅でも極上のツマミに仕上げることはできる。

 天日で干す工程があるので時間はかかるが、ほったらかしでいいのだから楽チンだ。水分が抜け、うま味が凝縮されたプリッとした甘い身に、しょっぱくてコクのある酒盗独特の風味がプラスされる。これが、うまいのなんのって、一口頬張れば、酒がグビグビと進むのだ。

「きょうはアンコウがあったんで、それで作りましたが、カレイやヒラメなどの白身魚やイカも合いますよ。イカの胴体は刺し身で食べるでしょ? だから、エンペラとかゲソの部分を使うんです。干したエンペラを焼いて細引くといいと思います」

 のんべえで良かった。

《材料》
アンコウの切り身
酒盗  50グラム
日本酒  500ミリリットル

《レシピ》
(1)酒盗を鍋に入れ、日本酒を加えて火にかけて煮切り、こしてから冷ます。
(2)アンコウの切り身を①の液に3時間ほど浸し、天日で半日干す。
(3)干したアンコウの両面をさっと焼く。

今日の達人 岡田幸造さん

▽おかだ・こうぞう
 1959年、東京都生まれ。慶応義塾大卒。新橋の料亭「松山」で修業したのち、86年から2代目の父・千代造と一緒に厨房に入る。祖父・庄次が築いた江戸の味を守りながら、挑戦も続けている。

▼はちまきおかだ
 1916(大正5)年に京橋区尾張町(現・銀座5丁目)で開業。昨年10月、創業101年を迎えた。水上瀧太郎、久保田万太郎、川口松太郎、吉田健一、山口瞳ら多くの文人に愛されてきた銀座の老舗。戦争や都市計画のあおりで、1968(昭和43)年に現在の地に移転した。

中央区銀座3―7―21
℡03・3561・0357

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