海外では車の盗難が8割減 日本発「顔認識システム」の実力
密室の新幹線で再び惨劇が起こったことで、空港並みのセキュリティー強化を求める声が上がっている。その一方で、空港や駅はもちろん、街中には監視カメラの設置が相次ぐ。事件解決に一役買っているケースも少なくない。カメラの精度はどこまで上がっているのか――。
このほど開幕したサッカーワールドカップロシア大会を巡って、英内務省は過去に問題行動を起こした国内のフーリガン1200人以上のロシア渡航を禁止した。世界的なビッグイベントは、テロの標的にもなりかねない。セキュリティーは重要だ。
日本では、2年後に東京五輪が迫る。そこで、カギを握るのが、NECが開発した顔認証システム「Neo Face(ネオフェース)」だ。群衆から特定人物を見分ける技術は世界トップクラスである。
東京五輪で採用されるのは、選手や大会関係者が通るゲートで、事前に登録した顔写真と入場者を自動的に照合してチェックする。一般ゲートは従来通りチケットや手荷物チェックを行うという。実はこのシステム、世界的にスゴイ成果を上げている。
ネオフェースは世界40カ国に導入され、米国では州警察の3分の1で採用されている。ネオフェースをミックスして街中監視システムを構築したアルゼンチンのティグレ市では、車の盗難が8割も減少したという。一体どんな仕組みなのか。