海外でも築地閉鎖を次々報道 観光客は減少必至と識者懸念
11日、開場を向かえた豊洲市場(東京都江東区)。さっそくターレからの出火や渋滞などトラブルつづきだった。
一方、役目を終えた築地市場の解体工事も始まった。閉鎖を知らずに訪れた外国人観光客もおり、案内所で移転を知らされ落胆する場面もあった。外国メディアも一斉に築地移転を伝えている。
今月6日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「時代の積み重ねに、卸と客が誇りを持った東京の魚市場が閉鎖」とのタイトルで、築地で働く市場関係者の声を拾い上げ、移転に消極的な人が大勢いることを伝えた。
「東京の伝説的な築地魚市場が閉鎖」――と題した、今月5日の英フィナンシャル・タイムズ(電子版)の記事は、「築地は東京で最も人気のある観光地のひとつ」と紹介し「そのほこりっぽい下町の雰囲気は、古い東京のシンボルであり、豊洲ではその神秘を成し得ない」と伝えている。
外国メディアが築地閉鎖を記事にしているのは、外国人にとっても有名な観光スポットだったからだ。実際、都の調査によると、築地市場は休日には2万人もの外国人観光客が訪れる人気スポットだった。年間200万人が訪れるとも試算されている。銀座に近く、場外に飲食店などが並ぶ築地市場は、外国人にも魅力的だったのだろう。豊洲移転問題に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。