大丈夫か…メーカーの要望で農薬残留基準が緩和されていた
日本は、世界の農薬規制の流れと逆行している。
問題は、政府が昨年12月25日、コッソリ公布した「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」という告示だ。驚くべきはその内容で、食品に残る農薬の基準値が大幅に緩和されたのである。
例えば、米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に含まれるグリホサート。グリホサートは、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関が「おそらく発がん性がある」と指摘している化学物質だ。ところが、厚労省は昨年12月、小麦に残っても大丈夫なグリホサートの基準を改正前の6倍に、ソバについては150倍に緩和したのだ。厚労省食品基準審査課の担当者は、「動物実験などの試験の結果、(基準値の)安全性は担保されている」と話すが、消費者の不安は置き去りだ。
そもそも、農薬の残留基準が緩和されるキッカケは、国内外の農薬メーカーが要望したからだ。
「メーカーなどから、農薬の使用方法を変更したいという申請がありました。申請された使用法でどれだけ農薬が残るかを示したデータに基づき、厚労省へ安全評価をお願いしました」(農水省農薬検査班担当)