「80歳までロボットできます」と言われ…コロッケさん変形性膝関節症の手術を振り返る
コロッケさん(ものまね芸人/65歳)=変形性膝関節症
膝に痛みを感じるようになったのは3~4年前かな。でも仕事を休まなきゃならないほどじゃなく、正座から立ち上がるときにテーブルに手をつくくらいの感じ。ステージ上でも“ロボットの動き”をするとき、膝に重心をかけるものですから、ちょっと痛みを感じ始めてはいました。ただ痛み止めの薬を使ったり、少し休めば問題はなく、気にするほどではありませんでした。
本格的につらくなってきたのは2年ほど前です。「変形性膝関節症」と診断されまして、手術をするならリハビリを含めて最低でも1カ月は入院が必要だと言われ、放置してしまったのです。スケジュール的に1カ月も休めなかったし、痛み止めでなんとか続けていたから。でも、当然のことながら痛みがどんどん酷くなっていくわけです。それに比例するように痛み止めの注射や抗生物質の薬も増えていきました。
とうとう動けなくなってしまったのが今年の初め。軟骨どころか、骨同士が擦れて骨に穴が開いている酷い状態でした。薬ではどうにもならず、このままではロボットの動きも、舞台を走り回ることもできない。で、先生に「人工関節にしても80歳までロボットできますよ」と言われ、長い目で見ればここでやるべきかなと、ようやく長期の休みを取って手術する気持ちになりました。手術を受けたのは今年の2月19日です。
ただ、普通は1カ月ぐらいの入院で済むところ、なんやかんやでトータル3カ月かかっちゃったんです。なにしろ一度に両脚を手術しちゃったもんで(笑)。それに、抗生物質やら何やら大量の痛み止めを使い続けていたせいで、体の抵抗力が落ちていました。つまり治癒力が弱くなっていたので細胞の再生に時間がかかり、感染症にも人一倍気をつける必要があったのです。
ただでさえ年をとると傷が治りにくくなるでしょう? その上に痛み止めの使い過ぎで、さらに治りが遅かった。「もう大丈夫だろう」と退院前に外出許可をもらって仕事したら、炎症を起こして退院が危ぶまれたときもありました。3月下旬の退院時は、まだステージがこなせる状態ではなかったんですよね。それなのに無理やり復帰したから4日後には再入院になって、結局、4月の公演をキャンセルすることになってしまいました。
やっぱり、退院=即仕事なんですよ。キャンセルしてしまったらキャンセル料が莫大になるから……。しかも、やるからには変な姿は見せられない。お客さんに脚の状態をわかられるのが嫌なので、ステージでは目いっぱい動きましたし……。そもそも負けず嫌いで意地になる性格だから、痛みがあっても「てめぇ、このやろう! おまえなんかに負けねぇぞ」とゴリ押ししてしまう。でも、今回ばかりはそれじゃ通じなかった。良かれと思ってしたことが、結果として酷いことになってしまいました。「判断を誤った」というのが正直な気持ち。反省しています。